知り合いの寺の 取り組み

越後の知り合いの寺のブログにこんな書き込みがあった。
長いですが引用いたします。

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12日(金)昼、保育園の電話が鳴りました。おじいさんが亡くなったというK家からの告げ、檀家ではありません(手次寺は浄土宗)が、ご本人の遺志でどうしても00寺本堂で葬式を出してほしいということでした。ありがたいことです。さぁ、それから受け入れ準備が始まりました。何しろ地元のカニの元締めみたいなお宅だからかなりの参列者が予想されます。僕は翌土曜日朝には大阪に向けて発つことになっていたから、その日のうちに喪主との打ち合わせ、本堂・庫裏の掃除、お手伝いの女性の手配、葬儀社への指示など段取りを整えました。13日のお通夜にも参列してほしいという申し入れは事情を話し副住職が、14日の葬儀には住職が参列するということで納得していただきました。そして13日朝も坊守、副住職に指示をして、大阪に向かったのでした。

 実は、3月初めお檀家に向けて本堂の利用を促す文書を配布したばかりでした。最近の葬儀が葬儀社主導のセレモニーホールが多くなってきていることに対し檀家、特に世話人から疑念の声もあって、1年前から総代・世話人会で検討、連名で趣旨を訴えました。だからというわけではありませんが、心に残る葬式を00寺として精一杯お手伝いさせていただきたいとおもいました。
 以下、配布文書を紹介します。

    00寺本堂利用のご案内
 00寺檀徒各位におかれましては、常日頃より00寺の崇敬・護持にご尽力を賜り衷心より感謝申し上げます。
 さて、00寺は約300年前の創建以来檀信徒の心の拠り所としての、又当地区の皆様のコミュニケーションセンター的な役割を果たしてまいりました。しかしながら近年の宗教離れ、少子高齢化、過疎化、娯楽の多様化等さまざまな要因により往時に比べ参詣者の減少は著しいものがあります。
 加えてセレモニーホール等の進出により自宅でのご葬儀がなくなりつつあるのも寂しい限りであります。確かにセレモニーホールでのご葬儀は整っており、ご遺族のご負担も経済的な面を除けば軽減されます。しかしながらご葬儀は人生完結の儀式として、生まれ育った地で生活を共にした人々(家族・親戚・ご近所の方々等)から見送られるのが本来かと考えます。
 00寺世話人会では昨年以来本堂でのご葬儀・ご法事の執行の在り方について模索してまいりました。そんな中から「自分の葬儀のときは必ず00寺本堂で出したい」と言われる方も出てまいりましたし、実際にご葬儀やご法事を勤められ「厳粛な雰囲気の中で大変ありがたかった」という感想もいただいております。
 つきましては改めて本堂における仏事の執行の意義を考え直し活用をお勧めする次第です。ご利用に際しては下記を参考に、又細部は住職、または総代・世話人に相談していただければ幸いです。(以下略)

 大勢の参列者だったにもかかわらず、お通夜、お夜食、葬儀、出棺と、まずは滞りなくことは運んだようでホッとしています。電気の容量、暖房など、細かい点で問題点も明らかになりましたが、施主の意見も聞きながら改善を重ねることで、更により良い環境を提供できるようになると思いました。

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同じ真宗といえども、地域によってはかなりお葬式の仕方が違います。お赤飯が出されると事まであると聞いたことがあります。
しかし、旧来の方法の復旧が無理な場合は、新たに意義のある葬儀式を生み出すことも考えなければならない時かもしらません。
                  釈 宝樹